通勤や街乗り、休日のちょっとしたポタリングに便利なクロスバイク。
最初は「数年乗れれば十分かな」と思って買った自転車でも、気づけば5年、10年と乗り続けている人も多いのではないでしょうか。
私の通勤用クロスバイクも、気づけば10年選手になりました。
車体は MASI Strada Vita Tre 2016。
購入当初は通勤用としてセール品を選び、「5年くらい乗ったら、またセール品に買い替えればいいかな」くらいに考えていました。
ところが、いざ乗り続けてみると愛着がわいてしまい、なかなか買い替えに踏み切れません。
ただ、10年以上乗っていると、さすがに各部の劣化が目立ってきます。
最近は、またBBまわりのガタや、ペダルを踏み込んだときのチェーン飛びが気になるようになってきました。
本当は早めにショップで見てもらいたかったのですが、行きつけの自転車店が閉店してしまい、そのまま放置気味に。
しかし、いよいよ症状がひどくなってきたため、今回はパーツ交換をしながら、10年乗ったクロスバイクを少しずつ再生していくことにしました。
この記事では、連載第1回として、10年以上乗ったクロスバイクでまず確認したい劣化ポイントをまとめます。
今回のクロスバイク構成
今回のベース車両は、Strada Vita Tre 2016 です。
主な構成は以下の通りです。
- クランク:FSA Vero Compact 50/34T
- フロントディレイラー:Shimano Tiagra 4700
- リアディレイラー:Shimano Tiagra 4700
- シフター:Shimano Tiagra 2×10-speed フラットバー用
- カセットスプロケット:Shimano Tiagra 10速 12-30T
購入時には、通勤用として使いやすくするためにハブダイナモ化もしています。
- ハブダイナモ:シマノ アルフィネ
- フロントライト:Busch & Müller Lumotec IQ Cyo Premium
- 明るさ:最大80ルクス、およそ150〜200ルーメン相当
- リアライト:Busch & Müller Toplight Line Plus系
通勤用として考えると、ハブダイナモはかなり便利です。
バッテリー充電を気にせずライトが使えるので、夜の通勤や夕方以降の移動でも安心感があります。
その反面、買い替えを考えたときに「新車にもハブダイナモを入れたい」となるため、車体代とは別に追加費用がかかるのが悩ましいところです。
10年乗ると、気になる場所が一気に増えてくる
最初に気になったのは、BBのガタとチェーン飛びでした。
BBとはボトムブラケットのことで、ペダルを回すクランクの軸まわりにあるパーツです。
ここにガタが出ると、ペダリング時に違和感が出たり、異音がしたり、力が逃げるような感覚が出ることがあります。
さらに、踏み込んだときにチェーンが飛ぶような症状も出てきました。
チェーン飛びの原因はひとつとは限りません。
チェーンの伸び、スプロケットの摩耗、チェーンリングの摩耗、変速調整のズレなど、いくつかの要因が絡むことがあります。
今回はまず、劣化が疑わしい以下のパーツを交換対象として考えることにしました。
- BB(1回交換済み)
- チェーン(1回交換済み)
- スプロケット
ただ、ここで終わらないのが10年選手のクロスバイクです。
いざ駆動系を見直そうとすると、これまで見て見ぬふりをしてきた箇所も気になり始めます。
ライト、ハブダイナモ、リアハブ、割れているシフター、ワイヤー類、ブレーキまわりなど。
「ここも気になる」「あそこもそろそろ交換したい」と、だんだん修理候補が増えていきます。
劣化チェック1:BBまわりのガタ
10年乗ったクロスバイクでまず確認したいのが、BBまわりです。
ペダルを踏み込んだときに違和感がある、クランク付近から異音がする、左右に力をかけるとガタつく感じがある場合は、BBの劣化を疑ってもよいかもしれません。
特に通勤用の自転車は、雨の日の走行や段差、毎日の使用で負担がたまりやすいです。
BBは目立つパーツではありませんが、ペダリングの中心になる部分なので、劣化すると走行感にかなり影響します。
確認したいポイント
- クランクを左右に揺らしてガタがないか
- ペダルを回したときにゴリゴリ感がないか
- 踏み込んだときに異音がしないか
- ペダリング時に力が逃げる感じがないか
BB交換は専用工具が必要になることが多いため、不安な場合はショップに依頼したほうが安心です。
劣化チェック2:チェーン飛び・変速不良
今回、特に気になっていたのが、漕いだときのチェーン飛びです。
ペダルを強く踏み込んだ瞬間に「ガクッ」と抜けるような感覚があると、かなり怖いです。
街中の信号スタートや坂道で起きると危険なので、早めに対処したい症状です。
チェーン飛びは、チェーンだけを交換すれば直るとは限りません。
チェーンが伸びた状態で長く乗っていると、スプロケット側も摩耗していることがあります。
その状態でチェーンだけ新品にすると、逆に噛み合いが悪くなり、チェーン飛びが残ることもあります。
そのため、10年乗った車体では、チェーンとスプロケットをセットで交換する判断も現実的です。
確認したいポイント
- 強く踏み込んだときにチェーンが飛ばないか
- 変速が決まりにくくなっていないか
- チェーンにサビや固着がないか
- スプロケットの歯が尖っていないか
- チェーン交換歴が不明、またはかなり古くないか
今回の車体は10速のTiagra構成なので、チェーンやスプロケットも10速対応品を選ぶ必要があります。
劣化チェック3:シフターの破損
今回の車体では、シフターにも割れが出ています。(仮補修済み)
フラットバー用のTiagra 2×10速シフターは、ロードバイク用コンポーネントをフラットバー化したような構成なので、年式が古くなると交換部品の入手性も気になってきます。
シフターが割れていても、変速できているうちはそのまま使ってしまいがちです。
ただし、操作感が悪くなっている場合や、内部の動きが渋くなっている場合は、ワイヤーやディレイラー調整だけでは改善しないこともあります。
確認したいポイント
- レバーや本体に割れがないか
- 変速操作が重くないか
- カチッとしたクリック感が残っているか
- 変速後にチェーンが迷う感じがないか
- ワイヤー交換だけで改善しそうか
シフターは交換費用が高くなりやすい部分なので、修理か買い替えかを考えるうえでも重要なチェックポイントです。
劣化チェック4:ハブダイナモとライトまわり
このクロスバイクは、購入時にハブダイナモ仕様にカスタムしています。
フロントハブはシマノのアルフィネ。ライトはBusch & MüllerのLumotec IQ Cyo Premiumを使用しています。
ハブダイナモは一度使うと、とても便利です。
ライトの充電を忘れる心配がなく、通勤用としてはかなり相性が良い装備です。
一方で、10年近く使っていると、ライト本体や配線、端子、ハブの回転状態なども気になってきます。
特にライトは、昔は十分明るいと思っていても、現在のUSB充電式ライトと比べると物足りなさを感じる場面もあります。
確認したいポイント
- ライトが安定して点灯するか
- 走行中にちらつきがないか
- 配線や端子が傷んでいないか
- ハブの回転が重すぎないか
- 夜道で明るさに不満がないか
買い替えを考える場合も、ハブダイナモを新車に導入するなら追加費用が発生します。
車体を6〜10万円で買い替えられたとしても、ハブダイナモ化でさらに5万円前後かかる可能性を考えると、今の車体を修理して乗り続ける選択肢も現実的になります。
劣化チェック5:リアハブ・ホイールまわり
長く乗ったクロスバイクでは、ホイールまわりも確認しておきたい部分です。
特にリアハブは、ペダリングの力を受ける後輪側なので負担が大きくなりやすいです。
回転が渋い、異音がする、ホイールにガタがある、振れが大きいといった症状がある場合は、点検が必要です。
ホイール交換まで必要になると費用が上がるため、買い替え判断にも影響します。
確認したいポイント
- ホイールを空転させたときにスムーズに回るか
- 横振れが大きくないか
- ハブにガタがないか
- スポークが緩んでいないか
- リムの摩耗や傷がないか
リムブレーキ車の場合は、リムの摩耗も安全に関わるポイントです。
ブレーキ面が大きく削れている場合は、ホイール交換を考える必要があります。
劣化チェック6:ブレーキとワイヤー類
10年乗っているなら、ブレーキまわりも必ず確認したい部分です。
ブレーキシューは消耗品ですし、ブレーキワイヤーも内部でサビたり、動きが重くなったりします。
見た目では大丈夫そうでも、握った感触が重い、戻りが悪い、効きが弱いと感じるなら交換候補です。
確認したいポイント
- ブレーキシューが減っていないか
- ワイヤーにサビやほつれがないか
- ブレーキレバーの戻りが悪くないか
- ブレーキの効きが弱くなっていないか
- 雨の日に制動力が落ちすぎないか
ブレーキは安全に直結するため、違和感があるなら早めに交換したほうがよいです。
修理か買い替えか、最初の分かれ道
10年乗ったクロスバイクを前にすると、悩むのが「修理するか、買い替えるか」です。
今回のように、BB、チェーン、スプロケットだけで済むなら、修理して乗り続ける価値は十分あります。
しかし、そこにシフター、ホイール、ハブ、ライト、ワイヤー類、ブレーキまわりまで加わってくると、修理費用は一気に膨らみます。
買い替えれば、6〜10万円くらいで新しいクロスバイクを選ぶこともできます。
ただし、私の場合はハブダイナモの便利さを捨てきれません。
新車にハブダイナモを入れるなら、追加で5万円前後は見ておきたいところです。
そう考えると、単純に「古いから買い替え」とも言い切れません。
今の車体に愛着があるなら、気になる部分を少しずつ交換していくのもひとつの選択肢です。
まずは今回、BB・チェーン・スプロケットを交換予定
今回の再生計画では、まず以下のパーツを注文しました。
- BB
- チェーン
- スプロケット
チェーン飛びやペダリング時の違和感がどこまで改善するかを確認しつつ、次にどこを直すか考えていく予定です。
ただ、いざ修理を始めると、今まで目をつむってきた部分も気になってくるものです。
ライト、ハブダイナモ、リアハブ、割れているシフター。
ひとつ直すと、別の部分も直したくなる。
まさに古い自転車あるあるかもしれません。
まとめ:10年乗ったクロスバイクは、まず現状確認から
10年以上乗ったクロスバイクでも、すぐに買い替えが必要とは限りません。
フレームがしっかりしていて、交換できる消耗品の劣化が中心なら、修理しながらまだまだ乗れる可能性があります。
ただし、駆動系、ブレーキ、ホイール、シフター、ライトまわりなど、複数の不具合が重なっている場合は、修理費用と買い替え費用を比較することも大切です。
今回のStrada Vita Tre 2016は、まずBB・チェーン・スプロケット交換から再生を始めます。
とはいえ、新車も気になっているのが正直なところです。
修理しながら乗り続けるのか。
それとも、次の1台に買い替えるのか。
この連載では、10年選手のクロスバイクを実際に見直しながら、修理・延命・買い替えの判断を記録していきます。
次回は、10年目のクロスバイクで交換したいパーツと、修理費用の目安についてまとめます。
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本連載で使用したアイテム・工具リスト
今回の作業で使ったアイテムはこちらでまとめています。パーツ選びの参考にどうぞ!
【パーツ編】Strada Vita Tre 使用パーツカタログ

【工具編】DIYレストアに必要な工具リストはこちら

【ケミカル編】メンテナンスアイテム





